血液中の総コレステロール値が220mg/dl以上、中性脂肪が150mg/dl以上であると、高脂血症といわれ、動脈硬化を促進する原因となります。またHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)値が40mg/dl未満でも動脈硬化が進みやすいこともわかっています。動脈硬化が進行すると脳卒中・心臓・腎疾患等重大な病気を引き起こす危険性が高くなります。高脂血症はそれ自体自覚症状が無いので放置してしまいがちですが、軽症のうちは食事や運動療法で改善する事ができます。まず摂取エネルギーを控えます。体重はどうでしょうか。肥満であれば減量します。要するに「食べすぎない」ことです。次にコレステロールや動物性脂肪を多く含んだ食品を控えます。肉の脂身・バター・洋菓子(牛乳・チーズ・生クリーム・高脂肪のアイスクリーム)卵黄等はコレステロールを上げやすいので摂り過ぎないようにします。魚の油にはEPAやDHAと呼ばれる物質が豊富に含まれており中性脂肪を下げたり、また食物繊維と一緒に摂るとコレステロールを下げる働きがあります。また血流を良くするので血栓ができるのを防ぎます。これはさばやいわし、さんま、あじなど青魚に多いので肉を減らし、これらの魚を食べる回数を増やしてください。大豆製品も一日一回は摂るようにしましょう。さらに野菜や海藻・キノコ類が不足しないようにします。これらの食品は食物繊維が多く含まれており、コレステロールを下げる
働きがあります。またビタミンやミネラル、抗酸化物質も豊富ですので、動脈硬化の進行を防ぎます。毎食色の濃い野菜を多く食べましょう。
遅い夕食・食べ過ぎ・甘いものやアルコールにも注意が必要です。食事療法と同時に運動療法も大切です。通勤時間に一駅歩く、階段を利用する、まず10分余計に歩くなどは如何でしょうか。できることからはじめましょう。(栄養士 関典子)