お薬だけ出してちゃんと説明しない専門医は困りますね。それでは私が治療について説明しましょう。花粉症は(1)スギ花粉等のアレルゲンがあること。(2)花粉が体について花粉が侵入し抗体ができること。(3)抗体と侵入した花粉が結合してマスト細胞を刺激してからだの中に化学伝達物質ができること。(4)化学伝達物質が鼻や目にとりつくこと。の結果鼻水や涙が出てくるわけです。予防薬は(3)と(4)のところに作用して効果をだ出すわけでしれには2週間ほどかかります。薬の使用についてはOCFCニュースのvol.5に説明してあります。
でも最も重要なのは花粉が体に侵入しないこと、すなわち(1)と(2)です。花粉が無ければいいのです。実際スギの植林がそれほど多く無かった頃は花粉症はなく、またスギの少ない関西方面は関東より症状が軽いそうです。でも現実的に皆さんが簡単に関西や北海道または海外に移住できるわけではなく、ここでは体につかないためのノウハウをお知らせします。
まず部屋の掃除方法:掃除機をかけますがホースを長くして噴出し孔はベランダ等部屋の外に置きます。最近は噴出し孔のない掃除機も市販されています。濡れた雑巾かけは効果的です。お布団を干したら必ず表面を掃除機で花粉を除去しましょう。布団乾燥機は効果的です。
窓は極力開けない事。換気をしたら空気清浄機も使いましょう。
外出時:メガネ・マスクは必需品。メガネは防御カバー付がよいですが、とにかくどんなメガネでもかけましょう。コンタクトレンズは刺激になります。またコンタクト装着中は原則として点眼薬は使えません。マスクは高価なものより安価なものを毎日とりかえるほうが衛生的です。帽子もできたらかぶりましょう。
帰宅時:外 、帽子、メガネ、マスクは居間や寝室に入る前にはずすこと。うがいをして顔を洗い、目を流水で洗います。鼻孔も洗いますがなかなか面倒。OCFCでは洗浄液をお分けしています。重曹・生食水で特別な薬剤は入っていません。鼻孔にスプレーすると、鼻水がどんどん出てきます。そこで鼻をかむと花粉が洗い流されるわけです。帰宅時、就寝前にお試し下さい。外気に曝した衣服は着替えます。
入浴は寝る前にとっとかないで、お早めに。髪の毛はまめに洗いましょう。
花粉情報:新聞やニュース、インターネットで花粉情報をしらべて大量飛散日は外出を控える。
これだけやればかなり症状は軽くなるでしょう。来年からは早めの予防薬1剤だけでシーズンを乗り切れるといいですね。予防薬開始は花粉観測日と花粉飛散開始日との間、1月中旬が目安です。(OCFC院長)