今年は咳漱が長引いている子供さんが多いようです。一つには今年マイコプラズマ肺炎が大流行していることが原因のようです.マイコプラズマ肺炎は高熱が続き、咳が止まりにくいのが特徴ですが、一部では発熱が目立たない場合もあるようです。長引く咳のときは熱がなくとも検査をするか、一度マクロライド系の抗生剤を服用するのもいい方法です。また一度肺炎・気管支炎にかかるとどうもそのシーズンは咽喉が敏感になって咳をしやすい、咳が長引くようなことがありそうです。 この長引く咳漱、3週間続くと遷延性咳漱、8週以上続くと慢性咳漱といいます。この慢性咳漱には咳瑞患、 アトピー咳漱、花粉症、喉頭過敏症、後鼻漏、胃食道逆流症に分類されます。
咳備息とは気管支暇息と同じように各種のアレルゲンで誘発されます。
咳発作はハウスダストやダニの場合、就寝時と6時間後の明け方近くの2回lまどおこるのが特徴です。瑞息
と同様抗アレルギー剤、ステロイド吸入、気管支拡張剤が有効です。
アトピー咳漱はアレルゲンに反応して発作が起こり、咽喉のイガイガ感が特徴です。
咽頭・喉頭の過敏性冗進が原因ですので、抗アレルギー剤や吸入ステロイドが有効で気管支拡張剤(ホクナ
リンテープ○等)は無効です。アレルゲンがスギやその他の花粉によれば花粉症に伴う慢性咳漱となります。
花粉症の70%に起こるともいわれています。
喉頭過敏症はアレルゲンの関与がないもので、吸入ステロイドが効果的ですo
後鼻涌・食道逆流症は夜間のしつこい咳激が特徴です。
後鼻漏では鼻汁吸引とマクロライド系抗生剤、去疲剤の使用が効果的です。
食道逆流症では夜間胃液が食道に流れ込んで食道の粘膜が痛み咳の原因となるものです。
胃粘膜保護剤が有効です。OCFCでは以上のポイントで慢性咳漱の診断・治療にあたっています。でもお母
さん、元気で体重増加もあればあまり鼻汁や咳に神経質になることはありませんよ。子供は風邪を引きなが
ら丈夫になっていくんですから。朝おきたときの咳はむしろ寝ているときにたまった癖を取り除く大切な生
理現象です。この咳は止めてはいけません。いやとまりません。
(OCFC院長)