予防接種に含まれる水銀の副作用が誇大に言われているのかもしれません。含まれている水銀はエチル水銀(チメロサール)で半減期は7日といわれています。体に蓄積するわけではないので比較的安全です。最近問題になった魚に含まれる水銀は、水俣病の原因となったメチル水銀でこれは半減期が1、5ヶ月であり、体に蓄積する傾向が強いわけです。
水銀を含むワクチン接種の結果自閉症児が増加した、または発達に遅れが出たという報告もありましたが、その関係は証明されませんでした。最近の水銀含量は小量ですので全身の副反応はないようですが、注射部位での腫れや、一部組織のDNAの傷みが報告されており今後の課題として残っています。また排泄は便中ですので環境汚染の原因ともなります。
以上の理由よりはっきりした因果関係がある強い福反応がなくても、含まれていないほうがよいわけで、実際アメリカCDCでは水銀を含まない予防接種に切り替えるよう勧告しています。
水銀は不活化ワクチンに含まれており、DPT、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎ワクチンに含まれています。しかし日本ででも水銀は添加されない傾向となり、OCFCでは日本脳炎ワクチンは水銀が含まれないものを現在採用しております。DPT・B型肝炎ワクチンでは依然として含まれていますがその中でも含量の一番少ないものを採用しています。今年の10月から開始されるインフルエンザワクチンでは水銀が全く含まれないものを採用する予定です。水銀が無添加となると注射時の傷みや局所の腫れも少なくなります。
水銀が含まれなくなって問題になるのは品質管理ですが、OCFCでは温度モニター付きの医療用専用冷蔵庫にて保管しています。このワクチンは乳幼児・学童および妊娠されている方(将来可能性のある方)には是非採用したいワクチンです。