OCFCではじっくり外来を開設しまして患者さんやご両親とじっくりお話をする時間を設けました。その中の一つとして夜尿症(おねしょ)外来があります。今日はそのおねしょの話をしましょう。おねしょとは何でしょう。寝ているままで排尿することです。赤ちゃんでは普通で、2歳ごろから少しづつなくなります。よく無理やり起こして排尿させますが、完全に起こさないでおしっこをすることはトイレでしてもおねしょと同じです。このおねしょは6歳までは普通にあります。小学校上がる前のおねしょはそんなに気にすることはありません。10歳で7%15歳で1%といわれています。それ程珍しいことではありません。あんまりみんなに言わないだけです。自分たちだけで悩まないでください。
では、どうしておねしょするのでしょうか? 簡単です。オシッコが膀胱に入りきらないためです。つまりオシッコが多すぎるか、膀胱が小さすぎるかです。前者を大量夜尿型、後者を膀胱機能未熟型といいます。2つとも原因になる混合型もあります。このタイプわけはオシッコの量と濃さを測ることでおこないます。OCFCに受診されれば計画的に検査しますのでご安心ください。
治療は生活指導と薬物療法に分かれます。まず生活指導。 生活指導の基本は「起こさず、焦らず、叱られない」です。本人は気にしているものです。気にしている子供にプレッシャーをかけないことです。おねしょは決して珍しいことではないこと、そしてそのうち直ると信じて通院してください。水分制限は基本です。午前中にたっぷり水分をとって午後は制限、夕食後は水分摂取を出来るだけ控えましょう。お昼のうちは尿意があっても出来るだけ我慢する膀胱訓練が役立ちます。これは膀胱機能未熟型に有効です。こういった生活指導を守るだけでもだいぶ役立ちます。
薬物療法は内服薬と点鼻薬があります。 大量夜尿症には坑うつ剤の一部のお薬(トフラニール等)が効くこともあります。また膀胱機能未熟型では膀胱の機能を調節するお薬(ポラキス等)が効くことがあります。これらのお薬は夜寝る前に1回服用します。大量夜尿型デスポプレッシン(DDAVP)の点鼻も有効です。外国ではこれが一番多く使用されているようです。寝る前に鼻腔に1~2回噴霧します。点鼻するので鼻炎のある方では効果が出にくいこともあります。この薬の使用中は水分の適度な摂取は控えます。
一番大切なことはいつか必ず治ることを忘れないで気楽にあせらず怠けず生活することです。(OCFC院長)