医療法人社団 オーシーエフシー会
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最終更新日:2015/4/14

私の息子はl歳ですが風邪をひくと必ず中耳炎になります。そのつど耳鼻科にいって抗生剤をもらい、2週間以上おくすりをもらいます。中耳炎でも薬をほとんど出さない耳鼻科の先生もいらっしゃるようです。どう判断していいかわかりません。教えてください。 (耳が痛いといって泣きじゃくる子供を前に途方にくれる母)

  鼻と耳は耳管で繋がっています。この耳管は乳幼児ではより水平に近く、また短く、太いので鼻からの分泌物が中耳へ移行しやすく、したがってウイルスや細菌も移動して中耳炎を起こしやすくしているようです。中耳炎は一度かかると月齢が低いほど反復しやすいようです。また2歳までは感染から体を守る抗体の産生が悪いのも中耳炎にかかりやすい原因のひとつです。
毎月のように急性中耳炎を発症している人の中には抗体が作れない無ガンマグロブリン血症の方も含れます。このような易感染性の疾患(すぐに感染しやすい体質)の診断はOCFCでできます。じっくり外来を受診されてください。
  中耳炎の原因にはウイルス(インフルエンザ、パラインフルエンザ、RS)、や細菌(肺炎球菌、インフルエンザ梓菌)があります。欧米では肺炎球菌ワクチンで予防する国が多いようですが、どうも中耳炎には効かないようです。
  中耳炎の治療は耳鼻科医により差があるようですが、最近米国、欧州各国で一定の決まり(ガイドライン)ができてきています。日本でも外来小児科を中心に作られてきています。これは従来の治療が抗生剤の過剰投与の可能性を考えての反省から出来上がってきています。ここではそれらのガイドラインの概略を紹介します。
  中耳炎には急性中耳炎と滲出性中耳炎(耳腔に水がたまっているが、急性炎症のないもの)にわlナられますが、急性中耳炎とはっきりしている症例以外は無治療で経過をみます.急性中耳炎でも無治療と抗生剤投与、鼓膜切開とで差は無いそうです。重症の例では初期に短期間5日程度の使用が効果的で、この期問を超えて長期に内服しても効果は無いようです。
  重症例以外では原則として2歳以上3日間、2歳未満2日間は鎮痛剤のみで経過をみます。症状の改善が無ければ抗生剤の投与が選択肢になります。重症例とは3歳未満で、39℃以上の発熱、白血球数が15,000以上のとき、全身状態が悪いときなどです。この場合は抗生剤の投与が必要です。
  抗生剤はAMPC、5日間が原則ですが効果が無ければ静脈注射が必要となる場合もでてきます。症状が無くなれば鼓膜が多少赤くとも抗生剤の長期投与は必要ないようです。
  耳鼻科医によってはマクロライド系の抗生剤を長期に処方する場合もありますが、これは抗菌剤としての使用よりは消炎作用を目的とするものです。この場合の使用量は半分量となり1日1回内服となります。
  ここに述べたお話は中耳炎の一般論です。鼓膜所見を正確に取れるのは耳鼻科医です。耳鼻科の先生から抗生剤や鼓膜切開の必要性を説明されたら、よく聞いて、納得されたらその方針に従いましょう。
(OCFC院長)

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